2025.07.23
犬のしつけの基本となる5つのコマンド
犬のしつけは犬が安全かつ快適に暮らすために必要なものです。また、飼い主とのコミュニケーションを取るときにも活用します。今回はそんなしつけの基本となる、5つのコマンドについて解説します。
犬をしつける目的
しつけは犬が人間社会で暮らしていくうえでのルールを覚えるためのものです。犬が人とともに安全かつ快適に暮らしていくためには、必ず覚えなくてはならないものでもあります。犬を適切にしつけるのは、犬への愛情であり飼い主の義務です。
また、しつけは飼い主とのコミュニケーションとしての役割もあります。ただ指示を出すのではなく、犬の特性を理解し、愛犬が理解しやすいかたちで教えてあげる必要があります。愛犬をしつけるときは、暮らし方を教えるだけでなくお互いの気持ちを伝え合うことも欠かさないようにしましょう。
犬のしつけにおける「コマンド」とは
犬のしつけにおけるコマンドとは、飼い主からのいい付けや命令のことを指します。おすわりやお手なども、そのひとつです。「命令」と聞くと、無理やり行動を矯正しているように感じて抵抗を覚える方もいるかもしれません。
しかしコマンドは、犬との関係を築くうえで非常に重要な役割を占めています。犬は群れの中で上下関係を作って暮らす生き物です。安全かつ快適な生活の中で健全なコミュニケーションをとるには、飼い主との主従関係をはっきりさせなくてはなりません。
コマンドはこの主従関係を愛犬に理解させる効果があります。トイレなどの必要なしつけと併せて、コマンドもしっかり覚えさせてあげましょう。
基本のしつけ5コマンド
基本のしつけとなるコマンドは、以下の5つです。初めに解説するアイコンタクトからはじめ、徐々に練習していきましょう。
アイコンタクト
アイコンタクトは、コマンドだけでなくしつけ全般で重要な位置を占めています。愛犬と目を合わせるのは、信頼関係を築くうえで欠かせない行動です。アイコンタクトができるようになれば、ほかのしつけもスムーズにできるようになります。
愛犬が近くにいるときやほかのものに気を取られているときなど、さまざまな状況で名前を呼んであげましょう。目があったらすぐにほめて、必要ならばご褒美をあげます。
慣れてくれば、目線を合わせることで愛犬の注意を引き、危険行動を回避するなどのテクニックもできるようになります。しつけを始める時期には、まずは目でやり取りするコマンドから始めてみてください。
おすわり
おすわりは犬を飼ったことがない方でも知っている、有名なコマンドです。これを覚えれば犬の動きを一時的に止めることができるため、とても便利なコマンドでもあります。教える際は、以下のトレーニングを通して覚えさせましょう。
- 1.ご褒美のおやつを鼻先に持っていって匂いをかがせる(少し舐める程度なら問題ないが、与えない)
- 2.ご褒美を持っている手を犬の頭上に移動させる
- 3.犬のお尻が床についたら「おすわり」の号令をかけてすぐにご褒美をあげる
おすわりの体勢と号令を関連付けるためにも、犬が座ったらすぐに声をかけておやつをあげるのがポイントです。トレーニングに慣れてきてスムーズに座れるようになったら、2の段階でコマンドをかけてあげてください。
ふせ
ふせもまたおすわりと同じようによく知られるコマンドです。ふせの体勢は立ち上がるのに時間がかかる分動き出しにくいためおすわりよりも難易度が高いといわれています。しかしふせを覚えれば長時間リラックスした状態で待ってもらうのに役立ちます。根気強く教えてあげましょう。トレーニングは以下の通りです。
- 1.まずは犬におすわりさせる
- 2.片手でご褒美をもちつつ犬にそのにおいをかがせながら手を地面に向かってゆっくり下げる
- 3.地面におなかをつけてふせの体勢になったらふせと声をかけて褒めながらご褒美をあげる
正しい姿勢になったらすぐにほめてコマンドと関連付けるのは、おすわりと同じです。犬が自然とふせの体勢にできるよう、最初におやつを移動する際は犬の気を引きながら動かしてください。
まて
その時のポーズのまま待ってもらうためのコマンドです。ご飯のときにやるイメージが強いですが、玄関や車の扉から出入りするときなど、突発的に動くと危険な場面を予防するのに役立ちます。
- 1.おすわりまたはふせのコマンドを出す
- 2.手をパーにして犬の前に出してまてとはっきり言う
- 3.待てたらよしなどの合図で終わりにして褒めてあげる
最初に待つ時間は1~2秒で構いません。スムーズに待てるようになったら、徐々に時間を延ばしていきましょう。
おいで
犬を自分のそばに来させるコマンドです。信頼関係の深さを証明できるほか、危険なものから遠ざける際にも活用できます。これもまた、犬の安全や生活のために欠かせないものです。
- 1.おやつやおもちゃを持っておく
- 2.犬から離れた所に立っておやつやおもちゃを持った手を差し出す
- 3.犬がこちらを向いた瞬間においでと優しく呼びかける
- 4.犬が近くまで来たらおやつやおもちゃをあげてたくさん褒める
はじめはおやつやおもちゃを見せながら呼び、慣れてきたら何も手に持っていない状態でコマンドを出します。飼い主のそばに行くといいことがあると覚えさせるのがポイントです。
まとめ
犬のコマンドはお互いの信頼関係を築くだけでなく、危険なものやトラブルから愛犬を守るためにも欠かせないものです。きちんと覚えてもらうまで時間がかかりますが、根気強く取り組みましょう。
