2025.07.02

犬の分離不安とは?相談先と適切な対処法

飼い主が外出しようとすると問題行動を起こす犬は、もしかしたら分離不安を発症しているのかもしれません。分離不安は犬の性格や環境・病気など、さまざまな原因によって引き起こされます。心当たりがある場合は、早急な対応が必要です。

飼い主が外出しようとすると問題行動を起こす犬は、もしかしたら分離不安を発症しているのかもしれません。分離不安は犬の性格や環境・病気など、さまざまな原因によって引き起こされます。心当たりがある場合は、早急な対応が必要です。

本記事は、犬の分離不安がどういうものかといった基本的な内容から具体的な改善方法までを解説しています。治療に悩んでいる方はもちろん、いつまでも問題行動が収まらないなどのお悩みを抱えている方は、ぜひご覧ください。

犬の分離不安とは

犬の分離不安とは、飼い主がそばにいない不安から犬が起こす、破壊行動や問題行動を指します。

犬はもともと群れを作って行動する生き物であり、特に子犬のうちは面倒を見る人間がいないと生きられません。しかし実際は、常に飼い主と一緒に行動できるとは限らない場面もあります。結果、分離不安による問題行動をとってしまうのです。

この問題行動は子犬だけでなく成犬でも発症することがあります。改善には、適切な治療が必要です。

犬が分離不安に陥っている際にとる行動

分離不安と一口に言っても、その問題行動はさまざまです。例としては、以下のものがあります。

  • 飼い主の留守中に部屋のなかがぐちゃぐちゃまたは物などが破壊されている
  • 飼い主が出かけようとするとそわそわしながら後追いする
  • 飼い主が外出しようとすると吠える
  • 飼い主がそばにいないと吠え続ける
  • 飼い主がいない間自分の前足や後ろ足を舐め続ける・噛み続ける
  • 飼い主がいない間に粗相する

 

とる行動は犬により異なりますが、どれも飼い主の不在がキーになっているのが見分けるポイントです。

分離不安の原因

分離不安になる原因は、犬ごとに異なります。

  • 環境の変化
  • 子犬のころに経験した長期間の留守番
  • 誤ったコミュニケーションやコミュニケーション不足
  • 加齢や病気

 

病気やしつけなどに心当たりがないのに問題行動を起こし続けるようなら、その原因を探りましょう。分離不安は原因ごとに対応が異なります。適切な対応をとるためにも、これらの原因を覚えておき、少しでも発生を防ぐ対策を取っておきましょう。

分離不安はどこに相談する?

犬の分離不安が考えられる場合は、まずこのあと解説するトレーニングを実施してみましょう。なお、以下の状態に当てはまる場合は、トレーナーや獣医師などの専門家に相談してください。

  • 分離不安の原因が分からない
  • トレーニングや対策をしても思ったような効果が得られない
  • 改善どころか悪化している
  • 分離不安以外にも気になる症状がある

 

専門家の視点や経験に基づいた指導や、病気が関連している場合はその治療を受けられれば、ある程度は緩和できるようになるはずです。困ったときはできるだけ早めに、プロの力を借りるようにしましょう。

分離不安の治療法

分離不安の治療法は、問題行動の内容や原因により異なります。方法は大きく分けてふたつあり、適切な方法を選ぶことが大切です。主な治療方法を解説するので、覚えておきましょう。

行動療法

問題行動の内容や範囲が軽い場合や、脳や神経などに異常がない場合は、行動療法、つまりしつけによって対処します。犬が抱えている不安やストレスを軽減し、飼い主に対する依存心を取り除くことで、精神的に自立させてあげるのが目的です。具体的なトレーニング方法として、以下のものがあります。

  • 一緒にいるときに遊びや食事の要求に応じない
  • 一緒にいるときに外出するふりをする
  • 外出30分前からは犬に注意を向けない
  • 犬が熱中できるおもちゃなどを用意する
  • 短時間の外出から徐々に慣らす
  • 犬が落ち着くまで相手をしない
  • 外出中に分離不安による問題行動を取っても叱らない

 

行動療法は問題行動やその原因にあわせたものを実施しましょう。なお、トレーニングを数回やっただけでは効果はあまり期待できません。コツコツと繰り返すことが問題行動改善のポイントです。大変ですが、犬のペースに合わせて根気強く取り組みましょう。

薬物療法

脳や神経の病気が疑われる場合や、問題行動による影響が重度、または改善できない場合は、行動療法と並行して動物病院の指導に従いながら薬物療法も実施します。主に、不安やストレス軽減効果が期待できる、専用の補助剤を使います。

このほか、治療のサポート効果が望めるサプリメントも有効です。薬との飲み合わせもあるため、サプリメントを使いたい場合は獣医師に相談しましょう。

なお、薬物療法はあくまでも行動療法の補助であり、薬だけで改善するのは非常に難しいです。治療の際は、適切なしつけをしっかりつけてあげることを忘れないようにしてください。

まとめ

犬の分離不安は生活環境や犬の性格・病気など、さまざまな原因により引き起こされます。改善するにはその原因を探り、適切なトレーニングを行ってあげる必要があります。また、病気などが関連している場合は、その改善も並行して実施しましょう。

分離不安の原因は子犬のころの生活環境やその変化も関係します。子犬を飼う場合は、小さいうちから分離不安の原因を取り除いた飼育環境を用意してあげることも大切です。

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